La Puerta by México Kanko | メキシコ民芸&ハンドクラフト

2021/11/05 19:53

グアナファトの市内から車で南東に約3時間の小さな町、タランダクアオ。
普段観光で行くことはあまり無いと思われるこの地に、オリジナルの陶器を生み出すハビエル・セルビン工房があります。
実際に職人さんたちが作業をしている工房だけでなく、商品を購入できるギャラリーもあります。
宿泊施設も併設されていて、宿泊しながら制作工程を見学したり、絵付けを体験したりすることもできます。


セルビン工房の陶器ができあがるまでの工程は大きく下記に分かれています。
1. 原土採取
2. 粘土づくり
3. 成型(ろくろまたは石膏型)
4. バリ取り、研磨
5. 絵付け
6. 焼成

中でもセルビン工房の陶器を特徴づけるのはの絵付け作業。
鉛筆で大まかな輪郭線を鉛筆で描いた後、ベースとなるグリッドを紺色や茶色の線で描いていきます(最近は黒や白で描く新しいシリーズも作られています)
このグリッドが描き終わると、いよいよセルビン陶器ならではのぷっくり模様が出るようにグリッドを塗り潰していく作業。
この輪郭線や塗り潰しの作業で使われるのは、筆ではなく「ペリージャ」と呼ばれるスポイトと注射針をドッキングさせたような道具。
ひとつひとつの模様を専門の職人さんが丁寧に描き、塗っていくという気の遠くなるような作業です。


この絵付け作業の後に窯で焼き上げます。
1280℃の温度で8時間をかけて焼成する間に模様の釉薬がガラス化して艶をもち、丈夫で割れにくく実用にも耐えられる陶器ができ上がります。
小さな作品でも1週間、大きな作品だと2か月をかけて作られるそうです。


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こちらの工房のオーナーは工房名の通り、ハビエル・セルビンさん。

グアナファト州出身ですが、メキシコシティで造形芸術と建築を学び、1981年にメキシコシティにご自身の工房をオープンした後、1991年に現在のタランダクアオに工房を移しました。
現在ではご家族もこの技術を踏襲しながらオリジナルの絵付けで独立し、工房を開いています。

そんなハビエル・セルビンさんから日本のみなさまへコメントをいただいたので、工房の様子と合わせてぜひご覧ください。
https://youtu.be/k4VrjXKBS-k


セルビン工房の陶器はこちらからどうぞ: