La Puerta by México Kanko | メキシコ民芸&ハンドクラフト

2022/01/29 09:00

【タラベラ焼のお店】

以前、タラベラ焼を守る規制に関してのおはなしをしたのですが(以前のブログを参照)、厳しい規制があるものの世の中にはたくさんのいろいろなタラベラ焼と言われる製品が溢れています。正式にタラベラ焼と名乗っている製品とそうでないものはどうやって見分けるのでしょうか?

一つは工房名です。現在タラベラ評議委員会に認証されている工房はプエブラ州とトラスカラ州に10箇所。

↑赤の丸が原産地呼称制度で保護されている地域、青い点が認証工房の位置です。

これらの工房は原産地呼称制度の地域内でメキシコ公式規格に乗っ取ったタラベラが制作されているので、工房のサインが入っていればまず間違いありません。また、これらの工房ではサインに工房名の他「Pue, Mex」という地域名やタラベラの原産地呼称を表す「DO4」と記載してよいことになっています。

↑ 裏のサインはけっこう大切。

ただ、様々な事情で認証を受けられない工房もあるわけで、そういった工房でも良い作品が作られていたりします。結局は好きなもの、が大切だとは思いますが、伝統的な工法で作られたものを求めるのであればこのあたりをチェックするのがいいかと思います。

↓ ↓ ↓ ↓ ↓

① 100%ハンドメイドであること
土を練るところから着色まで、すべてを手作業で行います。
形があまりにも整っているものは機械で成型されたものである可能性があります。
また、下絵にステンシルを使うことは認められているので同じ柄はありますが、着色作業は手で行うので微妙な違いが出てきます。

↑ 同じ柄でも微妙に違います。

② 陶土の色はクリーム色~オレンジ色
畳み台(お皿やコップの底の、テーブルに接する部分)は釉薬がかかっていないので、この部分を見るとベースとなっている陶土の色を見ることができます。特に公式規格ではこの部分は釉をかけてはいけないことになっています。
釉薬がかかっていてベースが見えないものは怪しいかもしれません。

↑ 陶土の色は底(裏)を見るとわかります。

③ 釉薬の色
いちばん初めにかける釉薬の色は真っ白や透明ではなく、アイボリーです。
また、焼成の過程で釉薬に細かなひび割れが入る(入りやすい)のが特徴です。

↑ 釉薬の色はアイボリー。クラックが入っていることが多いです。

④カラー
伝統的なタラベラ焼で使用されるカラーは青、黄、黒、緑、オレンジ、モーブ(薄く灰色がかかった紫)の6色です。
公式規格では顔料の配合まで決められていて、天然顔料を使うことになっています。
また、天然の顔料を使うため、輪郭線がくっきりとしていないのもタラベラ焼の特徴です。

↑ 公式規格では使えるカラーが決まっています。

⑤ 価格
特に認証を受けている工房のものは総じて高額です。
また、認証を受けていなくても100%ハンドメイドで天然の素材を使うことを考えると、そうでないものに比べてお値段は高くなります。

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メキシコ公式規格をベースに伝統的なタラベラ焼の特徴と見分け方を書き出してみましたが、いかがでしょうか。
ただ、上記じゃないからタラベラ焼じゃない、と言いたいわけでもなくて、あえて新しい色に挑戦して素晴らしい作品を制作しているような工房もあります。みなさんの「これが好き」という気持ちを大事にしつつ、伝統を守るために活動をしてきた職人さんたちにちょっと思いを寄せていただけたらな、と思います。

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おまけ
タラベラ焼のメキシコ公式規格に関して細かく知りたい方はこちらをお読みください(スペイン語)。
タラベラ焼の仕様に関して細かく記載されています。
Secretaría de Gobernación / Diario Oficial De La Federación

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タラベラ焼、こちらでお取り扱いしています。


メキシコの陶器ならセルビン焼もおすすめです。